再☆煩悩の赴くままに~日々是反省~

自省を込めて貴女に贈る鎮魂歌

1181:AI

ja.wikipedia.org

前回・前々回の「新しいPC」の話にて、最新のAIを搭載したCPUを積んでいるノートパソコンを買おうかどうか、みたいな話をしたので、そのついでにAI=人工知能の話。

chatGPTとかCopilotとか、最近は猫も杓子もAIを話題にしたがる傾向にある。

そもそも、このAI=人工知能ってのは何ぞや?ってことを理解するために、冒頭のウィキペディアから少々引用してみることにする。

誤解を恐れず平易にいいかえるならば、「これまで人間にしかできなかった知的な行為(認識、推論、言語運用、創造など)を、どのような手順(アルゴリズム)とどのようなデータ(事前情報や知識)を準備すれば、それを機械的に実行できるか」を研究する分野である[1]。 

ということは、記憶領域としてのストレージに膨大なデータを保存しておき、それを生かしてCPUが知的な行為をアルゴリズムに則って実行すれば、人間にしかできない行為がコンピュータにも行うことができるということか。

人工知能とかAIと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、子供のころから慣れ親しんだ漫画やアニメの世界に出てくる主人公のロボットたち。鉄腕アトムドラえもんなどは、完全に自律的に行動できるロボットだ。当然ながらAIを搭載しているに違いない。しかも、人間の生活を守ったり、より快適にしたりすることに優れた優秀なロボットだ。彼らが人間に楯突いたり敵になったりすることは想像できない。

だが、現在巷間を賑わせているAIは、その利用方法のみならず、将来的に人間の脅威になりはしないかという心配をする人も少なくない。

確かに、人工知能とかAIが人間の脅威になるかもしれないという話で思い浮かぶ別のヒーローがいる。

 

仮面ライダーは人間である本郷猛や一文字隼人がショッカーに改造されたヒーロー。元は人間。しかも本郷猛は身体は改造されたものの脳の改造手術前に緑川博士に助けられて事なきを得ている。後にその脳だけになってしまう本郷猛が一文字隼人と一体となって戦う姿が原作漫画やシン仮面ライダーなどで描かれているが、知能としては人間のそれであることに違いはない。人工知能だとかAIとは無縁の存在である。

一方で、キカイダーは完全なる機械。体も心も脳も機械である。どちらかというと、鉄腕アトムドラえもんに近い存在になる。

キカイダーが悪の軍門に下らなかったのは、生みの親である光明寺博士が組み込んだ良心回路(ジェミニィ)があったから。こいつのおかげで、プロフェッサーギルの指示に従順になることなく、正義の心を持って悪と戦う孤高の存在となる。

この良心回路(ジェミニィ)。奇しくも、Googleが開発している人工知能「Gemini」と似たような名前というところが面白い。なんでふたご座なのかはよくわからないが、GoogleのAI開発者が石ノ森章太郎ファンだったりなんかしたりするんじゃないか。ちなみに、人造人間キカイダーの良心回路=ジェミニィは、ピノキオに出てくるコオロギの名前だったような記憶がある。それじゃあ、なんでピノキオを導くコオロギの名前がジェミニィなんだ?ってことになるが、それは知らない。

話が逸れた。元に戻そう。

人造人間キカイダーの秀逸なところは、良心回路を組み込まれたために悪いことをしないようになっている一方で、それが不完全だというところ。結局のところ、人間の良心回路なんて千差万別であって、人によってその性質も正確も異なる、というのが正直なところ。完璧な良心回路を持つ生まれながらの善人なんているはずもないし、そもそも「完璧な良心回路」ってなんなんだ?ってことになる。聖人君子がそれってことになるのか?そんな御仁には50年以上生きてきてお会いしたことがない。

だが、そんな正義の味方であるキカイダー(ジロー)が、最後には兄弟であるキカイダー01や00、愛していたビジンダーを躊躇なく破壊するシーンがある。その原因は、ハカイダー(プロフェッサーギル)がジローに組み込んだ服従回路(イエッサー)にある。良心回路(ジェミニィ)という正義の心と、服従回路(イエッサー)という悪の心を合わせ持つキカイダー(ジロー)になった途端に、嘘をつくことができ、身内とも言える兄弟たちを破壊することもできた。この二つの心を持ったキカイダーの最後のセリフが意味深。

おれはこれで人間と同じになった。だが、それとひきかえにおれは...これから永久に悪と良心の心のたたかいに苦しめられるだろう...。

さらに続くナレーションが何を意味しているのかも、考えさせられるものがある。

ピノキオは人間になりました。メデタシ、、メデタシ...

...だが、ピノキオは人間になってほんとうに幸せになれたのだろうか...?

キカイダーが辿った道を、AIも進むことになるのだろうか。膨大なデータの中には、人の悪意に満ちらものもあるに違いない。果たして、AIが人間と同じような思考をすることが、果たして我々人類にとっていいことになるのだろうか?