再☆煩悩の赴くままに~日々是反省~

自省を込めて貴女に贈る鎮魂歌

1136:雨、ときどきアパシー

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「平和だと退屈すぎるから、多少のトラブル、プリーズ!」みたいな話をした記憶がある。いや、前回の話か。

まぁ、世の中にトラブルめいたことは結構起こっているが、できれば起きない方がいいに決まっている。それが普通の人の至極真っ当な考え方。間違いない。

ただ、のんべんだらりんとした平穏無事な生活をただただ惰性で過ごしていると、心の平穏は逆に保てなくなるような危惧を感じての前回の話であった。

いくらしっかりとした性根も肝も座った人であったとしても、平和に飼いならされ、何も起きない、何も困らない、何もない地に安住する時間が長ければ長いほど、きっとその惰性で生きるしかない堕落した世界から抜け出すことは、決して容易なことではあるまい。

他の人がどう考えるかは知らないが、やはりこの人生を思いっきり楽しむのならば、少しばかりのスリルとサスペンスがあった方がいい。切迫感と緊張感のある状況こそが「あぁ、オレって今、生きてるっ!」と実感できるという想いが強迫観念のように頭に思い浮かんでならない。心の起伏が乱高下しないと生きた心地がしない。まさにワーカーホリック。不治の病につける薬はないという。どうしたらいいのか自分でもよくわからない。

だが、神様ってヤツは残酷なもので、運と不運のバランスを均等に保つことと同じように、忙しい日々に忙殺された後には、まるでご褒美を与えたもうが如く、我に「暇」を与えたもうとするようだ。この場合の「暇」は「ひま」ではなく「いとま」という日本語がふさわしい。忙しかったんだから少しゆっくり過ごしなさいと、そういうことだとは理解している。

何もない何も起こらない世界で何も困ることはないはずなのだが、ようやく訪れたはずの平穏な日々を楽しむ術を知らないから、逆に何もないことで困ってしまったりもする。「これじゃあご褒美じゃなくて拷問じゃねーか!」と思ったりもしたりして、こうなると平和を心の底から楽しむことができない己の性分を恨むしかない。

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アパシー(apathy)」と言う状態があるらしい。初めて聞いた言葉だ。そしてもう一つが「燃え尽き症候群」。これはよく聞く言葉だ。

いずれも、頑張り過ぎてしまったのか何が原因なのかはわからないまま、意欲・感情・情熱が冷めて無気力になってしまうことが、まぁなくはないらしい。平和があまりにも長いと、この状態に陥ってしまっているのではないかという自覚が芽生える。

基本的に、単身赴任生活とは「退屈」の宝庫である。休日にやることが特になく、誰とも話す機会がない生活に浸っていると、こういう状態になりやすいのだろうか。何かを頑張ったわけでもないのに、気力が湧かない。ただ単に堕落しきっているだけなんじゃないかとも思うが。身の危険や脅威とも言えるカミさんと物理的に離れたことで油断しきっている状態、というワケでもないらしい。

先日、週末の土日ともに雨が降って、習慣になっている散歩に出かけることができなくなった。日中のほとんどを単身赴任先のアパートで過ごす羽目になり、撮りためてあったTVのバラエティーを観るしかやることがなく、半年ほど前のM-1GP2022の敗者復活戦・本戦・反省会のようなくりぃむナンタラを、数時間ぶっ通しで観ることになった。買いためてあったスナック菓子のほとんどを食べ尽くし、2リットルペットボトルのコカ・コーラ・ゼロも飲み干してしまった。お笑いのバラエティー番組だから、声を上げて笑う場面も多々あったと思うのだが、結果を知っているからか、何かに心が動かされたようなこともなく、なんのコンビがどんな漫才をしていたのか、不思議とあまり覚えていない。見終わった後、少しは身体を動かさなきゃと、近所のスーパーに夕食の食材でも買いに行こうか、と思ったのもつかの間、窓の外に目をやるとまだ雨。あぁ、もう面倒くさいからいいやと、最後に残っていたカラムーチョを食べて一日を終えた。

このままじゃいかん。これじゃ病人になっちまう。

もっとこう、なんというか、ウキウキもワクワクもしなくてもいいだけど、泣ける映画を観に行くとか、場外馬券場に行って100円馬券を握りしめながら、大声で「させーっ!」て叫んでみるとかしないと、ダメになりそうな、そんな気がしてくる。

gendai.mediaこれによると「感情は生き物と同じで、自分自身で制御しきれるものではなく、だったら行動してみりゃイイじゃん!」ってことらしい。感情をコントロールしようとしても心がすり減るだけで無駄無駄無駄ーってことらしい。

確かに、直近に経験した警鐘からするに、身体を動かすなり行動するなりしないと、ズルズルと怠惰な生活になりがちで、それに伴ってこころがのぺーっと真っ平らになって感情が起伏することもなく何も感じられなくなってしまうような気がしてきた。

うわぁ、こっわーい。

やはり、人生にはちょっとしたアクセントが必要で、できれば想定内よりも想定からちょっとだけ外れた出来事があったほうがいいのかもしれない。そのためには行動が必要。やっぱり週末の散歩は必須だ。大きな期待はしなくても、ちょっとした新たな発見もあるはず。

だから今のこの時期、梅雨時はホントにキライだ。