再☆煩悩の赴くままに~日々是反省~

自省を込めて貴女に贈る鎮魂歌

1135:平和は退屈

炎上しそうなタイトルである。

決して世の中が混沌としていればいい、という話ではない。何を隠そう、世界中の誰よりも平和を愛して止まない男である。戦争なんてない方がいいに決まってるし、核兵器なんてこの世の中からなくなってしまえばいいと、各国首脳が広島で宣言などしなくとも、常日頃より心の底から思っていることである。

...うーん、なんか嘘くさいが仕方がない。だって、いつの時も「きれい事」ってそういうもんだから。

ここでいう「平和」とは、あくまでも日常の生活の話である。戦争なんてなく、人々の争いごとすらもない我々にとっての日常とも言える世の中であっても、更にその上を行く「平和な日々」ってのが何となくある。なーんも起こらない、日頃の生活に対して何の不満もなく、平々凡々とダラダラ過ごす、そんなイメージ。でも、それって退屈だなーという話である。ちょっとくらいトラブルとか問題発生とか、そういう刺激がないとつまらんなーという話、である。

こんな言い訳から入るのも如何かと思うが、そういうテーマなのだから仕方ない。どうか、勝手に誤解することなどないことを願いたい。

これまで散々、様々な問題と向き合い、その数々を解決してきた。好むと好まざると、そういう星の下に生まれ落ちてしまったのか、どうやら根っからのトラブルシューター気質のようだ。

幼い頃からクラスのまとめ役、喧嘩や揉め事の仲裁を買って出ること数知れず。余計なお節介を焼きたがる単なる目立ちたがり屋さんなのかもしれないが、それなりに周囲からも頼りにされてきた感がある。社会人としても、本来の育ちはシステム屋であるからして、不具合とかトラブルの類とは年柄年中お付き合いをせざるを得ない立場が長かった。そういう本来は避けて通りたい事象と真摯に向き合い、原因と思しきそれらしいものに当たりをつけて、そこを少しばかり手を加えたり引いたりしてみて、テストして上手く行くかどうか確認する。それの繰り返しを散々行ってきた。まだまだ駆け出しのプログラマーの時には、先輩の作った仕様書をざーっと眺めて、「すみません、これたぶんちゃんと動きません。」と言って恥をかかせたりもしたが、危険とかリスクに対する嗅覚が人より優っていたのかもしれない。もしくは、前世の行いがよっぽど悪かったのか、トラブルや事故を引き寄せる体質なのかも...。

もちろん、この世に解決しないトラブルなどない。ハッピーエンドになるかバッドエンドを迎えるかはわからないが、物語には必ず終焉がある。それを迎えた時、できれば解決に導いた時に、「やってやったぜ!」と心の底から思える快感。あれを一度味わってしまうと、病みつきになること間違いない。

いや、決して悲劇が好きなドM体質ではない、はずである。

トラブルシューターはトラブルをシューティングしてナンボである。そんな面倒くさい事が快感だというのだから、やっぱり少しおかしな性癖なのかもしれない。

自然科学の分野が良いのは、必ずと言っていいほど、ちゃんとした答えがある。1+1=の答えは「2」なのであって、決して田んぼの「田」ではない。そういう意味ではシステムとかプログラムの間違い、たいていはそれを作る人間のミスが原因なのだが、その間違いは必ず見つかる。だから面白い。

ところが、人ってヤツは不確定不確実な要素が満載で、何が正解なのかようわからん時がある。人文科学の根底には不確実性という名のあやふやさが満載である。システム屋をやってる時も、端末と睨めっこして仕様を考えたりプログラミングしたりしている時は楽しいのだが、システム開発に介在する上司や先輩や外注さんやお客さんとのスったモンだのやりとりほど面倒くさいことはなかった。もちろんそれも揉めているのだから決して「平和」ではなく、退屈には該当などしない深刻な状況である事には間違いないのだが、実はこちらはあまり好きではない。

それが何故なのか考えたら、きっと「明確な答えがないから」という結論に行き着いた。

ちなみに今は、ガッツリと人を相手にする職種に就いている。ひじょーに面倒くさい。本当ならガツンと本音をぶちかましてギャフンと言わせてやったっていいのだが、それも「パワハラ」とか「モラハラ」とか「キ◯ガイ」とか言われかねないから出来ない。それとなーく、なんとなーく、優しさ満載の無難なところから入っていって、ゆっくりゆっくり徐々に牛歩の如く核心に迫りゆく...ってやり方、これが常套手段。

あーイライラするっていったらありゃしない。

そんでもって、ボヤーっとした結論めいた結論ではない到達点に辿り着いたのかついてないのかわからない状態になって、「うーん、まぁ、いいか」みたいな中途半端な状態でモヤモヤ渡して終わるのが日常。

んで?

結局なに?

どうなったの?

そんな状態にあるくらいだったら、いっそのこと何にもない誰も争わない「平和」の方がいいなーなんて思ったりもするんだが、それもあまりにも長く続くと「退屈」に逆戻り。

うーん、堂々巡りだ。

人生はまるでメリーゴーアラウンド

本当に目が回りそうだ。