再☆煩悩の赴くままに~日々是反省~

自省を込めて貴女に贈る鎮魂歌

1143:夏休みの課題図書

小学生~高校生くらいまでだっただろうか、夏休みになると必ず宿題が出て、大抵の場合、その中に「読書感想文」的なものがあった記憶がある。アレが好きだという奇特な人がいたらぜひその理由を聞いてみたいものなのだが、いかんせん本を読む行為もそうだし、読んだ感想なんてもので400文字詰めの原稿用紙数枚を埋めるあのノルマが嫌で嫌でしょうがなかった。それが今や、2,000文字では少々物足りないくらいの感覚になっているのだから、人間変われば変わるものである。

そういえば、ここ最近はちゃんと集中して本を読むことも少なくなった。たまに発売されるシリーズものの小説は欠かさず読むようにしているのだが、お気に入り以外の新しい本に出会う機会もめっきり減った気がする。そうか、なんせ本屋に足を運ばなくなっているものな。大型書店以外の街の本屋さんを最近とんと見かけなくなったし。知らない本を手にする機会自体がすっかりなくなっているのかもしれない。

以前、名古屋で単身赴任していた際には、さいたまの自宅までの往復で本を読む時間を作ることができた。名古屋駅の本屋でたまたま手にした本や、KINDLEで読める小説などを中心に、移動するには黙って座って費やすしかない手持ち無沙汰な時間を潰すためにただひたすら読書に勤しんでいた。

ところが、今は自宅までの新幹線乗車時間は1時間もない。下手したら、単身赴任なんかしている場合じゃなくて、自宅から通勤できるんじゃないか?というくらいの微妙な距離で働いている。少し前に比べれば自宅に帰る機会も増えたのだが、いかんせん片道1時間弱では大作は読めない。なので大概は本は本でもマンガを読んでいることが多くなった。

自宅に帰ったら帰ったで本なんか読んでいる場合じゃない。自宅に帰らない時はこれを書いているし、猛暑だろうが酷暑だろうが頭の中を整理するための散歩は欠かせない。歩きながらでも何とか本を読むことはできないだろうかと、Audibleにも手を出してみた。もちろんオトクなキャンペーンがあったので気軽に手を出すことができたからなのだが。使った人に聞いてみると、料理をしながらとか洗濯をしながらでも本を耳で読むことができるから便利ということだったのだが、これが自分には全然合わなかった。まず、朗読する人が有名な俳優さんだったりするものだから、内容に感情移入できないことがわかった。あと、本を読む時、少し前に戻って読み返すという行為をしてしまいがちになるのだが、それがしづらい。まだ電子書籍の方が「本を読んでいる」ことを実感できるのも、「本を読む行為」というのにはある程度の集中力を必要とするからだと気づいた。ポッドキャストのような聞き逃しても別に気にならない他愛もない内容を垂れ流すのであれば問題ないのだが、集中して内容をつぶさに把握したいような推理小説みたいなジャンルは全然ダメだった。

なので、一念発起して、この夏休みには最低でも本を1冊くらい読むことにした。だって夏休みだし。新幹線が速すぎて本を読む暇がないなんていってられない。どうせさいたまの自宅に帰っても、カミさんはパートでいないし、子供らは部活だバイトだで家にいないし。別に寂しくはないけど、平日の昼日中にやっているワイドショーなんてみんな同じ話で盛り上がっているだけだし、どうせ一人で悶々とするくらいなら、熱中症になる危険性が高い散歩はこの際だから封印して、冷房の効いた部屋でひとり、本を読んでみたってバチは当たるまい。どうせ他にやることないんだし。

ということで、今回の夏休みの課題図書はこれにしてみた。

何がきっかけだったか忘れたが、少し前にAmazon電子書籍を購入していたことを思い出した。たぶん「孤独」というキーワードに惹かれたんだと思う。この人がどんな人かは全く知らない。少し調べたら1980年代までご存命だった哲学の人らしい。

少し前にここでも書いたが、最近のお気に入りワードが「孤独」とか「孤高」である。ひとりでいることが悲しいワケではないこと、むしろひとりでいることが好きで、その時間が自分にとっての癒やしにもなっていることに気づいたので、それがどういうことなのかもう少し深掘りして考察してみたくなってきている。この表現し難い自分の思いはどこから来てどこへ行こうとしているのか。大人のくせに自分でも自分のことがよくわからないので、頭のいい昔の人に教えを請おうということだ。

さてさて、これを読んだとしてだ、ここでその感想文めいたものを書こうという魂胆かというと、実はそんなことは考えていなかったりもする。なんせ、読んだ本の内容を晒すような書評といえば聞こえがいいが実は単なるネタバレ記事であることを何よりも嫌う性格だったりもするワケで。もちろん、あまりにも素晴らしい内容で、他の人にも伝えなければならないという使命感が芽生えたのならば、前言撤回してでもここでその素晴らしい内容を披露したくもなるだろう。だがしかし、果たしてそんな本に出会えたのだろうか。まだ1ページも読んでいないので、なんとも言えないのだが...。

おーっと、そろそろ新幹線が大宮駅に到着するそうだ。

結局、まだ本を読んですらいない。本当にたった1週間しかない夏休みの期間中に、この本を読み終えることができるのか。なんせ買ったのは電子書籍なもんだから、本の分厚さやページ数すらわからないからなー。

 

追記

これを書いたのは2023年8月8日(火)の自宅に戻る新幹線の車中。それを2023年8月12日(土)20時に予約投稿したはずなのだが、上手く更新されていなかったみたいなので、やむなく2023年8月14日(月)20時に投稿する。失礼しました。