再☆煩悩の赴くままに~日々是反省~

自省を込めて貴女に贈る鎮魂歌

1164:通勤途上災害なのかどうなのか

いつも通りにスーツに着替えて、昨晩命の危険から救ってくれた通勤用のリュックを背負って、会社に向かう。コートを羽織った際に気づいたのだが、右肘の辺りに擦れた後がついていた。ここが車のボンネット辺りにあたったのかも。ユニクロの安いコートだし色は黒で目立たないからこっちはいいけど、高級車であるア◯ファードは大丈夫だったのかしら?なんて余計なことを考える。

着替えの時も、階段を降りる時も(エレベーターは使わない主義)、道路を歩く時も、それほどの違和感は感じない。首を動かす時に首筋と肩に強い張りが生じること、歩く時に尾骶骨の辺りに衝撃が響くことと、相変わらず右腕の下半分に痺れがあることくらい。まぁ行程2km程度の道のりの徒歩通勤なら、なんとか行けるでしょう。

ということで、いつものルートを通り会社へと向かう。信号などの交通ルールは守り、歩道からはみ出ないように慎重に歩を進める。途中の家で飼われているボルゾイらしき大型犬に挨拶をし、大きな通りに出る。片側3車線の元国道いま県道には両脇に立派な歩道が併設されており、自転車にさえ気をつければ安心して歩くことができる。ただ、群馬県もそうだったが、ここ福島県も道路のアスファルトの状況はあまりよろしくない。ふつうのアスファルトの道路も、タイルになっている歩道も、凸凹していたり、若干傾斜していたりする。住民税なのか自動車税なのかはわからないが、車道は整備されているのに、その脇の歩道は草ぼうぼうだったりするのは、地方ならではの共通項。ふだんならあまり気にならない歩道の状況も、今日は慎重に歩いているせいか、なんか気になる。

そうこうしているうちに会社に到着。正門の守衛さんに朝の挨拶をしてゲートを通過。構内神社で安全祈願をして、ぐるりと内周を一周する。工場の様子を確認するために始めたことだが、これも日課になっているので今日もサボらずに遂行することに。Coke Onの自販機でジョージアマウンテンブレンド(ホット)を購入してからグラウンド脇の喫煙所へ。一服しながら缶コーヒーを飲み、その後にようやく職場へと向かう。更衣室で作業着に着替えて自席につく。だいたいいつも一番乗り。年寄りは朝が早いというが、20代の頃の遅刻ギリギリの出社に比べると随分と真っ当な大人になったもんだ。

書類受けにある書類を取り出して内容を確認しながら押印し、PCを立ち上げてメールをチェックする。昨晩チャットした上司は本日関西にいる。その上司から早速電話がかかってきて無事を確認される。そのうち部下が三々五々と集まってくる。始業時刻の直前になると構内放送でラジオ体操の音楽が流れるのだが、今日はやめておくことにする。始業時間になると鐘が鳴って、朝礼。ここが告白タイムになると踏んでいたので、予定通りに昨晩あったことを話す。

「おはようございます。えー私事で恐縮なんですが、昨晩、車に跳ねられまして...。」

当たり前なのだが、一瞬の静寂が訪れる。みなさん、キョトンとしている。その後ざわざわする。

「えー、車には跳ねられましたが、なぜかこのとおり無事です。私自身も不思議なんですが、幸いにも大きな怪我もしていません。なので概ね大丈夫なんでが...、この後、◯◯さん(安全衛生担当)、少し状況を説明しますので相談に乗ってください。あと、本日この後、警察に電話したり保険会社と交渉したりとプライベートなことが目白押しですし、たぶん病院にも行かなきゃならなくなるので、ほぼ席にはいません。急ぎの案件があったらいの一番に私まで。それでは、本日もよろしくお願いします。」

一応、大人としての、職場の上司としての対面は保てたかと思う。

で、安全衛生担当の◯◯さんとオープンスペースの打合せテーブルでお話をすることに。通勤途上ではあるものの、一旦通勤経路を逸脱してコンビニに向かう途中で事故にあったことを説明し、労働基準監督署に通勤途上災害に該当するかしないか確認してもらうことに。通勤災害に認定されるとややこしくなるんだよなー。指定の書類を作成してもらわなくちゃならないし、それを労働基準監督署に提出してもらわにゃならん。それに、相手の保険で治療費を賄うのか、国(労働基準監督署)が持ってくれるのかもよくわからなくなる。なので、

「たぶん、通勤災害にはならないと思うんですけどねー。通勤経路から外れちゃっているし。」というニュアンスで説明しておいた。

すぐに労働基準監督署に電話で確認してもらったところ、案の定、通勤途上災害には該当しないと即答だった。ケンモホロロというか、意外とあっさりしてるのねー。

まぁいいか。これで話がややこしくならずに済んだ。

ってことは、ここからは相手の入っている損害保険会社との話し合いになるわな。というか、加害者のあの女性、ちゃんと保険会社に一報入れてくれてるんだろうか。その前に、昨晩はちゃんと眠れているんだろうか。人を跳ねるなんて体験、めったにするもんじゃないしなー。落ち込んでるんだろうなー。

(つづく)